昨日より速いパケットを求めて 第2ホップ目

この記事を読むと得られること

  • 一般家庭向けのNW構成
  • 市販ルータのHW限界
  • 市販ルータへのOpenWrt導入のあれこれ

前回のあらすじ

「これ持ってる俺プロじゃん?」と買っただけでドヤ顔してたYAMAHAのRTX1210をちゃんと活用しようと思って自宅NWを試行錯誤して更新してみたけど、設計思想(想定利用方法)が合わなくて断念…じゃぁどうするの!?ってところで終わりました。
詳細は前回記事を読んでみてね!

ごめんな…RTX1210…さようなら

で、どうしたもんかなぁと考えながら家のNW機器の在庫を眺めていたら、NETGEAR社のGS108TとGS105Ev2がこちらを見つめていました。
正直これらは昔ハードオフで安かったから買っただけで、スマートL2スイッチとして買ってはいなかった
(というかスマートL2とハブの違いもわかってなかった)
ので完全に意識の外でした。
が…

「これならいけるやん!?」

と、脳内に電流が走りました。
正直YAMAHAが一軍落ちになってしまうのは悲しかったですが、背に腹は代えられないという思いで以下の構成を考案。

結論から言うと、OpenWrtにルーターとAP(アクセスポイント)機能を統合し、VLAN対応のスマートL2スイッチで各部屋へ分配していく構成にしました。
ぶっちゃけ、至って普通の構成ですね。YAMAHAへのこだわりに囚われすぎて、随分と遠回りしてしまいました(なお、YAMAHAは1ミリも悪くありません)。

これで設計は完璧。OpenWrtに基本設定を流し込み、各SSIDやポートで狙い通りのIPが振られることも確認。「通信分離もバッチリ、完成だ!」……となるはずだったのですが。

なんか通信状況が悪い!!

特にメルカリのように画像が大量に並ぶサイトや、レスポンス重視のゲームでは明らかに遅延を感じます。
計測サイトでは速度もPing値も悪くないのに、体感速度だけがガタガタ。
「YAMAHAならこんなことなかったのに……」と再び暗礁に乗り上げた時、ふとスイッチの設定画面にある「QoS」の文字が目に留まりました。

※QoSとは…流れていくパケットに優先順位を付けて処理していく設定のこと。例えば音声パケットの優先順位を上げておくとIP電話の音声が途切れにくくなったりする。しかしQoSを設定すると通信帯域の上限が下がったり、適当な設定をすると通信状況が悪化するなどデメリットもあり、入れれば必ず幸せになれる魔法のツールではない。

そういえばQoSの設定は全くやってないけど、やったら改善するのかな?と当てずっぽうで設定することを決意。
今回の構成では今回の構成ではスイッチ(L2層)側でQoSをいじっても根本的な解決にならないので、OpenWrt側にQoSパッケージをインストールして推奨設定してみると…

快適☆

結構冗談ではないくらい天と地のレベルで違いました。
設定終わった後にQoSについてAIくんに聞いてみたら

・YAMAHAはデフォでQoSがある程度入ってるし(本当か?そんな設定部分なかったぞ?)
・そもそもパケットの処理がHWレベルでチューニングされたプロセッサを使ってるから快適(絶対そっちだろ)

と言っていたので、やっぱりエンタープライズ向け製品は凄いなと思いました。
※このあたりの具体的な設定内容などは後日自作ルーターの所でお話しする予定です。

でも、なんかHWの性能たりなくね?

とりあえず満足いくNWが構成出来たので、今はこの構成で使い続けています。
ただですね、NW構成的には不満はないのですがOpenWrtを監視していると

・プロセッサ温度が心配になるくらい高い(常時70℃くらい)
・通信量が多くなるとメモリが不足する時がある(512MBしかない)
・CPUも不足する(もともとQoSやVLANを制御出来ない物で無理矢理動かしてるからね)
・ROMが足りなくてソフトをガンガン入れられない(45MBしかない)

といった感じで、結構厳しい感じだったんですよね(当たり前)
今更ですが、現在OpenWrtを入れて魔改造されているルーター君はこちら

バッファローのBuffalo WXR-2533DHP2です。
2016年発売の製品でもう型落ちも型落ちなので、OpenWrtの導入方法が比較的安定している国内製品ではこれでも最強スペックの製品です。
運が良ければハードオフで2000円前後で買えるのでコスパもお化け。

OpenWrtの導入方法が比較的安定している国内製品と言った理由についてここで少し述べます。
メーカー製のルーターにOpenWrtを入れようとした時、当然その機器には先客としてオリジナルのFWが入っています(画像みたいなやつ)

この画面では出来ることが限られてる+権限もないので勝手にFWを書き換えるようなコマンドを実行することすら出来ません。
そこでその機器の脆弱性「など」を使って、root権限を無理矢理奪ってFWを書き換える必要があります。
(P◯Pの改造時代を思い出しますね)
ところが最新機器だとオリジナルFWも成熟していて脆弱性がなかったり、穴が空いていてもサポート期間内だとアップデート配信で穴が塞がれたりしますので、最新機器の最強スペックの市販ルータにOpenWrtを入れるのは結構難しいというのが現状です。

つまり、サポートの終わったハイエンドルータというのが狙い目な訳で日本国内ではこのバッファローのWXR-2533DHPが

・11acも使える
・RAMが512MBと(比較的)大きい
・アンテナ本数も多い
・それなりに出回っている
・FWの導入方法が確立している

という条件をすべて満たしているため、OpenWrt日本界隈という狭い界隈では結構人気です。
(みんなもハードオフで見かけたら買おう!!)

ただ先程も書いた通り、HW仕様は所詮市販の無線LANルータの域を出ない訳で、逸般の誤家庭向けには物足りないわけです。そこで

だったら自分で作るしかないじゃない!!

と、なりこのシリーズの先頭に繋がる?わけです。

第3ホップに続く

では次回からいよいよHWの選定から改造、OpenWrtの導入を進めていきたいと思います。
実はこの記事を書いてる時点ではまだ完成してないどころか、無線用アンテナが届いてなかったりしてるので完走できるのか結構疑問ですが最強の無線LANルーター作成目指して頑張るのでぜひ次回もお付き合いいただければ幸いです。

今回の豆知識

自宅の中でも検証用環境は用意しておこう

いくら自宅とはいえ、インターネットも重要なライフラインです。
ルーターの構成を変更する度に家中のネットが(瞬断とはいえ)切れていれば同居人から非難轟々となることは必至です。
大人しく影響の出ない検証用環境を用意しておきましょう(12敗くらいしてる)