現役インフラエンジニアがブログサーバーにAWSを選ぶ理由

2020年7月29日

この記事を読むと得られる情報

  • ブログサーバーにAWSを選ぶ利点
  • レンタルサーバーの仕組み
  • サーバーの選び方

端書き

😇「WordPress(以下 WP)でブログを始めるぞ!!

と決意した後に悩むことといえば「どこのサーバーを使用するのか」という問題かと思います。

他のブログスタートアップ記事などでは
さくらのレンタルサーバー

XSERVER
ConoHa
が有名でオススメされているかと思います。

理由としては
WPがインストール済みや、支援ツール付きのサーバーが提供される
であったり
単純に安い
NWの構築(その他諸々)を代行してくれる
などなど、あると思います。
これはこれで正しいことであり、上記の選択肢も決して誤りではありません。
Linuxサーバー初心者が黒い画面を操作しないで、ブログが公開できるという点はとても大きな利点であることは揺るぎない事実です。

ターミナル
黒い画面のイメージ

だがしかし!!
AWSにだって安い利用方法もあるし、WPがインストール済みのサーバーだってあります。
(つまり黒い画面で操作しなくてもいい!)
確かに他のレンタルサーバーに比べるとAWSは「NWの設定とか面倒な部分」もありますが、それ以上に半端ない柔軟性最先端のサーバー知識を手に入れることができるというメリットがでかいです。
ただし、そのためにはすこーしだけ勉強が必要です。その勉強すべきことも次の記事でまとめていきたいと思います。

この半端ない柔軟性と会得した知識があれば、思う存分に自分のブログサイトをカスタマイズすることができます!
また、必然的にWPの運用で生じた様々な問題も自身で解決することができるようになると思います。
もちろん自分で作るサイトは自分で手入れできる方がいいですよね?
自分でサーバーを運用できればブログの執筆ももっと楽しくなりますし、場合によってはその知識を生かした副業を始めることだってできます
実はブログサーバーの運用ニーズは結構あるのです。

最後の方は話が少しそれましたが、今回は「AWSをブログサーバーに選んだ際の利点」について述べていきたいと思います。

実はAWSだってそこそこ安い

いきなりですが、代表的なレンタルサーバーサービスの機能と価格比較表を御覧ください。

サービス名マシンのスペック月額料金リソースroot権限の有無
さくらスタンダードプラン524円ベストエフォートX
ConoHaベーシック900円ベストエフォートX
XSERVERX101250円ベストエフォートX
AWSt3a.micro約800円2コア 1GBO
各種レンタルサーバーサービスの比較

どれも日本(可能な限り東京)での1年間の利用料を12ヶ月で割った平均月額利用料です。
また、マシンスペックも可能な限り同等なもので比較しています。

始めたてのブログを運用する想定でのスペックになります。

AWSだけ、金額に約とついているのはドルベースで請求が来るためです。

「root権限」など見慣れない項目がありますが、まずは値段の項目だけ見ていただけると
AWSが最安、というわけではありませんがかなり安い部類であることがわかるかと思います。
(東京にこだわらなければ、さらに約半額にすることも可能です)

🤔「でも安いだけで、品質が悪かったら意味ないよね?

では、次の章で各項目について見ていきます!!

実はAWSはとても高品質

では次に「リソース」の項目について見ていきます。
ここでいうリソースとはCPUのコア数と、メモリの量です。
サーバーの各リソースはよく台所に例えられます。

CPUのコア数は、包丁を握る人間の数に例えられます。
料理する人が多ければ多いほうが調理は早く終わりますよね?
なので、コア数は多いほうがブログにアクセスがたくさん来てもちゃんとさばいてくれます。

一方メモリは、その調理するまな板に当たります。
まな板が広ければいろんな食材を広げても問題なく調理ができます。
極端に狭いと、1個の食材しかさばけません。
ここでいう食材というのは「ブログの機能」に当たると思ってください。
複雑な機能を持ったブログを運用すればするほど、このメモリが必要になります。

もう一つ大事な指標として、ROMがあります。
HDDやSSDとも言われますが、基本的役割は同じです。
台所に例えると、冷蔵庫になります。
冷蔵庫が大きいほどたくさんの食材が保存できますね。
ここで言う食材はブログを構成するありとあらゆるデータになります。
今回比較しているサーバーにはどれも十分な量が確保されているので、今回は比較していません。

🤔「そもそもAWS以外がベストエフォートって書いてあるんだけど、なにこれ

実はAWS以外はサーバー全体のスペックを公開していることはあっても、個々のスペックを保証してくれません
これがどういうことかという前に、まずはレンタルサーバーのサービスについて少し解説します。

基本的にサーバーのレンタルはサーバーをまるごと借りるわけではありません。
実はレンタルするサーバーというのは、お化けみたいなスペックを持った巨大なサーバーの一部を間借りするに過ぎません。

データセンター
お化けサーバーのイメージ

サーバーレンタルサービスは1つのお化けサーバー(マンション)にレンタル者がそれぞれのリソース(部屋)を借りるイメージです。
その個々の部屋の大きさがAWSでは保証されてるため、表の通りのスペックが保証されます。

しかしそれ以外のサービスでは、その個々の部屋の大きさが保証されていません
(公開されているのはあくまでも分割前のお化けサーバーのスペック)
「1つのお化けサーバーを何人で借りるのか」、「隣の人がどんな使い方をするのか」によって自分の部屋の環境が、常に変化するということです。
(極端に0に近づいたりすることはないですが、多少の増減はあります)
自分のブログの表示速度やレスポンスが隣人によって、左右されるのは非常に由々しき問題です。

サーバーに求めるのは「安定性」です。
この点でも、リソースが保証されるAWSが高品質であることが分かるかと思います。


😠「でもこれ、AWSに優位な条件でしか比較してなくね?

とご指摘を受けそうですが、実はAWS以外の他のサービスにもroot権限付与タイプやリソースが担保されたVPCサービスなどもあります。
ただ、他のサービスはスペックの担保やroot権限付与をすると値段が跳ね上がってしまい、まるで比較にならないのでここでは紹介しませんでした。


😠「そもそもこの項目以外にも、AWSが劣ってる点がもっとあるだろう!!

そのとおりです。
しかし各種サービスの細かい特徴は無数にあるため
(XSERVERではドメインが期間限定で無料、AWSは完全マネジメントなサービスかつ無料でIP制限ができる…などなど)
話が難しくなってしまう上に、項目が増えるとベストなサーバーを決めることも難しくなってしまうため、今回は特に重要な項目で考えてきました。

実はAWSは何でもできる

先程からちらちらと出てきつつ、無視されてきた「root権限」ですが、これもAWSにしかない特徴です。

「root権限」とは言わば「大家権限」です。

AWS以外はあくまでも普通に家を借りているので、勝手に間取りを変更する工事をしたり、壁紙を張り替えたりはできません。
これが「root権限」がない状態を指します。

逆に「root権限」があるAWSでは「あなたの部屋に関しては何をどうやってもいいよ」という状態です。
ブログを書くのにいろんな便利機能を勝手にインストールしたり、不要な機能は削除したりするもの自由自在です。
もうこれだけで「root権限があること」の利点が分かるかと思います。

デメリットとすれば、何でも出来るので借りたサーバーを完膚なきまでに破壊することも可能です。
とはいえ、物理的に壊れるわけでも無ければ、隣の人にも迷惑はかからないので、もう一度作り直すかバックアップから復元すればいいだけです。
しかも、この作り直しに追加料金はいりません。いい時代ですね!

他にも、サーバーのスペックの種類もAWS以外は多くても5種類ほどですが、AWSは100種類近くあります。
それも月額課金ではなく、従量課金のため、いつでもスペック変更ができるので
「最初は最小限の課金で運用して、アクセスが増えてきたらだんだん大きくしていく」
ということも簡単に出来るのが特徴です。

他にもたっっっっっっっっっっっくさんの付加サービスが用意されており、AWSでできないことは原則他のサービスでもできないと言っても過言ではないです。

実はAWSの回し者でもなんでもない

なんだかAWSばかりべた褒めの記事ですが、
WPインストール済みサーバーのレンタルサービスであるAmazon Lightsailなどを駆使しても、他のサービスよりもブログ参入難易度が高いことは事実です。
そもそもサーバー周りの自由度に対してなんのメリットも感じない場合は、正直なところAWSを選択する理由は皆無です。

ただ、サーバーは全ての根幹。
使えればいいのであれば、どれでも確かに使えます。
そうではなく「不満・不具合が出た時にどれだけ柔軟に対応できるのか」が極めて重要です。
それが最安クラスで使えるのです。まったくAWSは最高だぜ!!

レベルは高いですが、将来の自分への投資と思ってAWSで始めるブログ生活も悪くないですよ?
AWSでのブログサイト構築方法なども公開していきたいと思いますので

待て、次回!!